【YouTube】急増中のAIカバー楽曲、実は違法アップロードになる。【警鐘】

去年あたりからウルトラ爆増中のAI音楽系チャンネルですが、今年に入ってからAIによる既存有名楽曲のアレンジが増えてきました。

投稿者の概要欄には事細かく著作権についての免責事項の記載がありますが、実際のところ権利的に問題はあるのかないのか、音楽チャンネル歴約10年のワイが解説します。いやまぁタイトルにもう書いてあるんですけども。

気づかないうちに自分が犯罪者になっている可能性もあるので、「知らなかった」では済まされないケースが多い為、注意喚起の意を込めて紹介します。赤線は期末テストの範囲になる可能性が高いので覚えておきましょう。

⚠️実は違法アップロードになるんだなも!

YouTubeには包括条約といって、主にJASRACとNEXTONEなど大手著作権管理団体と契約を結んでいます。

包括条約ってなんぞ?っていうと、端的に言えば「歌ってみたとかピアノで弾いてみたとかのアレンジを投稿してもいいよ。」っていう二次創作OKかNGかの条約です。大抵の曲はOKになっています。本来であればインターネット上に他人の著作物を公開するのは著作権侵害ですが、この条約により主に広告料の折半、または全額還元という形で許可されています。ちなみに厳密にいえば漫画やアニメ、芸能人などをSNSのアイコンに設定するのも権利侵害です。

「え?ほなAIでもOKなんちゃうん?」て思った画面の前のチミ。この包括条約、「何をやってもいい」わけではなく、特にAIツールへのアップロードプロセスに大きな問題が潜んでるンゴ。

ちなみにたまに「ContentsIDにより権利元に還元されているから何をアップロードしてもOK」と勘違いしているハッピーボーイがいますが、あれはそうではなく「あまりにも多い違法アップロード一件一件に対応している暇がないからとりあえずcontentsIDでブロック(違法アップロード者が利益を得ない為に)しているニョ!」っていう仕組みです。所得隠し(脱税)同様に数年泳がされてからいきなり訴訟みたいな可能性もあるので注意。たまにジャスラックが飲食店にガサ入れしてるニュースも似たようなもん。

では詳しく解説していきます。

1. そもそもAI生成サービスの利用規約違反

SUNO AIを含む、”全ての”音楽生成AIサービスは利用規約において「権利を持っていない音源のアップロード」を厳格に禁止しています。

  • 規約の壁: アップロード機能を利用する際、通常「私はこの音源の権利を所有しています」という同意を求められます。既存の有名楽曲をアップロードした時点で、AIサービス側の規約違反となり、アカウント停止のリスクがある。
  • 商用利用権の無効: 有料プランに入っていれば「生成物の権利はユーザーに帰属する」というルールがありますが、これは「入力データが適法であること」が前提です。他人の曲を勝手に読み込ませて作った曲については、商用利用の権利も認められない可能性が高い。

2. 「複製権」と「翻案権」の侵害

YouTubeの包括契約は「YouTube上でその曲を演奏して公開すること」を認めるものですが、「他社のサーバーに曲をアップロードして改変すること」まではカバーしていない。ここでいう他社のサーバーとはSUNOやUdioなどのAI生成サービスのサーバー。

  • 複製権の侵害: 既存の音源をAIのサーバーにアップロードする行為自体が、著作権法上の「複製」にあたります。私的使用(自分だけで楽しむ)の範囲を超え、公開、収益目的でAIに読み込ませるのは権利侵害となる。
  • 翻案権(編曲権)の侵害: AIがメロディラインを解析し、ジャンルを書き換えるプロセスは、法的には「翻案(アレンジ)」にあたります。前述の通り、大幅な改変は著作者本人の許可が必要な領域です。仮に、AIカバーの投稿者が権利者に別個許諾を取っているのであれば問題ないですが、権利元が許可してるわけないやん😊

3.「同一性保持権」と「編曲権」

YouTubeとJASRACの包括契約で許諾されているのは、主に「演奏権」や「公衆送信権」です。しかし、「曲をアレンジ(改変)する権利」は、実はJASRACではなく、著作者(作曲家・作詞家)本人が直接持っていることが多い。

  • 同一性保持権(著作権法第20条): 著作者は、自分の著作物の内容やタイトルを「自分の意図に反して勝手に変えられない」という権利を持っています。
  • 編曲権・翻案権(著作権法第27条): 楽曲を別の形に作り変える権利です。

なぜジャンル変更が問題になり得るのか?

例えば切ない別れを描いたバラードを、作曲家が「この静かなメロディでなければ伝わらない」という意図で作ったとします。それをAIで激しいEDMや、おどけた雰囲気のボサノバにアレンジした場合、著作者が「自分の作品の世界観が壊された」と感じれば、同一性保持権の侵害を主張される可能性があります。

「ピアノで弾いてみた」「ギターでカバーしてみた」「オーケストラアレンジしてみた」等は同一性保持権の範疇である事が多いですが、大きなジャンル変更は法的リスクを伴うケースが多いです。よくニコニコ動画などで下品な替え歌が削除されたりしているのは権利者の許容範囲を超えた為。ニコ動では生き残ってる動画を「運営のお気に入り」タグが付いたりしていた。

4. 「自作アレンジ」と「AI丸投げ」の決定的な違い

ここが一番の落とし穴。

  • 法的にOKなカバー: 人間が原曲を聴いて、自分の楽器やソフトで音を打ち込み、YouTubeのルールに従って公開する。
  • リスクの高いAIカバー: 「既存の音源(データ)」を直接AIに流し込み、AIにコード進行や構成を再構築させる。

後者の場合、元の音源(原盤)を直接デジタル処理の素材として利用しているため、レコード会社が持つ「原盤権」をより直接的に侵害しているとみなされやすい。

現状何チャンネルかのAIカバー系を見ましたが、打ち込みによるアレンジをしているチャンネルは0です。おおよそ所謂「AIぽんだし」で、音量だけ弄ってるケースが全部でした。

各AIカバーチャンネルにほぼ100%記載されている「ミックス、マスタリングは人間により仕上げている」等の謳い文句がありますが、ぶっちゃけ権利側からすれば「だからなんやねんw」です。

まるで免罪符のように記載していますがこれで権利問題はクリアしていません。

リスクのまとめ

行為法的・規約上のリスク
音源のアップロード【NG AIサービスの規約違反 + 複製権侵害
AIによるジャンル変更【NGよりのグレー 翻案権・同一性保持権の侵害リスク
YouTubeへの投稿NGよりのグレー】 Content IDで収益剥奪、または折半、または削除対象。が、AIによる大きな改変はcontentsIDの検知を逃れやすい。ぶっちゃけ通報したら消えると思う。

[memo] 現在、音楽業界(ソニー、ユニバーサル、ワーナーなどの大手レーベル)は、SunoなどのAI企業に対して「著作権侵害」で大規模な訴訟を起こしています。 ユーザーが有名楽曲をAIに読み込ませて「カバー」を作る行為は、まさにこの訴訟の争点そのものであり、権利者側が最も厳しく警戒している行為。今後の行方に注目だZ!

結論

YouTubeに公開するまでの過程が違法アップロードによる著作権侵害になります。

「AIが生成したオリジナルボイスだから安心」と思われがちですが、「制作過程で既存の音源をAIに読み込ませている」という点が、法的には非常に大きなリスクとなります。

もし安全に活動したいのであれば、「AIに曲を読み込ませる(Audio Input)」のではなく、「メロディを自分で打ち込んだり弾いたりして、AIには『歌唱』や『楽器の音色』の生成だけを助けてもらう」という、人間主導の制作スタイルをおすすめします。

前述の通り、現状打ち込みや演奏は自力で歌唱をAIによるカバーしているチャンネルは1つも確認できませんでした。(見かけたら教えてちょ。)

なのでYouTubeで見かけるAIアレンジ、カバーはAI生成サービスへの「違法アップロード」に値します。

そもそもなぜ急増しているのか🤔

2024年より、AI生成楽曲による作業用BGMチャンネルがえぐいスピードで爆増しています。

それと同時に副業系のインフルエンサーや情報商材屋の商材としてAI生成音楽チャンネルがブルーオーシャンとして流行っていました。が、あまりにも増えすぎた結果、インフレして再生数を食い合ったりコピーし合ったりし、結果的に「伸びないチャンネル」の方が多くなっています。

そこで競争に負けたチャンネルユーザーが手を出し始めたのがこのAIカバーアレンジ系となります。

プロの商材屋たちの中でもどうやら「NG」として一部啓発しているようですが、大半のAI音楽投稿チャンネルはいわゆる「素人」なのでこのあたりのルールを無視している状況になります。AIカバーチャンネルは現在かなり増えてきているので意外と早く問題が公になってくるのではないかと思います。

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