※この記事は2024年5月6日 19:29にnoteで公開しています。最新の状況とは異なる可能性があるので引用の際はご注意下さい。
5年ぶりくらいのnote。最近音楽活動の数字が色々伸びてきて感謝しています。で、今回は新幹線の移動が長くて暇すぎるので時間つぶしに書きました。ざっと書いてるので読みにくかったらメンゴ。
ここ数年でAIの進化が著しく、簡単な作品なら誰でも出力できるようになりました。著作権の問題が度々問題視されますが、逆にAI生成されたデータ自体に著作権が発生するのか色々調べたのでまとめました。

クソデカデメリット:基本的に出力した生成物に著作権が付与されない【追記】
見出しの通りです。現在日本において、AIにより出力された音楽やイラストその物に著作権の付与は認められていません(文化庁公開「AIと著作権」より)。こちらにも詳しく書いてくれていますが、要約すると著作権法第2条に定義されている「思想又は感情を創作的に表現したもの」という定義に当てはまらない為です。

特に芸術分野に置いては著作者の思いや感情、完成に至るための努力などが反映され、それに相当する価値が生まれます。その反面AIは機械的に学習された内容からプロンプトを元に自動生成されるのを鼻ほじって待ってるだけで、思いも努力もクソもありません。そもそもAIはラーニング元のデータが存在し、そのデータは誰かの著作物(ここ重要)です。そしてこれはブラックな話ですが、AI学習用にデータ提供しているアーティストはほぼ居ない。つまり、勝手に著作権無視してAIに学習させちゃってる可能性が高いということ。*(追記:現在SUNO、Udioは無許可での学習を認め、大手レコード会社と裁判中。機械学習そのものはフェアユースで合法となっていますが、それを用いて商用利用することまではフェアの対象外なので裁判になっています。)

SUNOとWMGの裁判では和解に向けて進んでいるゾ!具体的には現行の学習データモデルを廃止して、公式にデータをWMG側が提供するという内容(翻訳した感じたぶんそんな風)じゃゾ!ちなみにオプトイン方式なので貸し出すかどうかはアーティストが決めれるので、クオリティが大きくグレードダウンになる可能性があるとの事。また今まで無制限に出来ていたダウンロードも制限がくるとの事。業者による大量アップロードが配信サービスで問題視されていたのが原因。(て思ったら追記中に詳しく書いてある記事見つけたわ。➡https://note.com/taku_sid/n/ne8a29b5f814a)
「創作意欲が認められれば著作物としてみなされる」可能性もありますが、創作意欲があるかどうかの判断は他人(最終的には裁判官)がします。これも線引きが特に無く、現状どこから著作物になるかどうかの判断が難しくなっています。
【追記】AI生成物に対する著作権侵害による書類送検。

要約すると、他人がAI生成したイラストを自身の書籍の表紙に無断使用したというもの。AIに与えた指示、プロンプトを2万回以上行ったので検察側は著作物として認めたという。
このニュースの大事な点は2つあり、まずは
①逮捕ではなく書類送検。
②著作権侵害が認められて裁判所から有罪判決が下ったのでは無い。
という点です。なのでこれがきっかけでAI生成物が著作物になったのではない。という点を考慮する必要があります。起訴が認められれば裁判になると思うで今後の動向が個人的には楽しみではある。もしある一定の長さのプロンプトで著作物として認められるのであれば、チャットGPTやGeminiなどに「このプロンプトを内容は変えずに〇〇文字まで長くして」と指示してしまえばAI生成物に著作権を付与できてしまうので、何でもありになってしまうのか気になるところ。
ちなみに中国では著作物として認められ、アメリカでは著作権登録を認めない判断をしたりと、各国で対応が異なるので日本がどうなるかは不明。(個人的に共産主義の国は認められやすく、資本主義の国では認められないのかなとは思う。)
現状、学習そのものはフェアユースになりそうな流れですが、それの商用利用(月額制AI生成サービスとしてのビジネス行為)は現在各国が議論中。規制に向けた流れが強くなってきている印象。
AI音楽がYouTubeのcontentsIDに登録することを禁止しているのは、学習元の楽曲データに検知される可能性があるのと、どうしても類似する曲が生成されるので、これも検知し合ってしあうためです。
NTTdocomoビジネス「AIの生成物が「著作物」として扱われる条件とは」↓
目次5「AI・人工知能が作った音楽の著作権はない!?」も合わせてどうそ↓

出力したAI生成物そのものを使ったビジネスはコピーされても泣き寝入り
例えば、楽曲生成AIで出力した曲をまとめてYouTubeで「作業用BGM」として公開し、広告を付けて収益化したとします。動画そのものには著作権が発生しますが、曲自体には著作権が存在しません。
つまり、2次配布や転載をされても著作権の侵害には当たらない可能性がある。YouTubeの規約上、転載に関しては申し立てで非公開にさせることはできますが、画像を差し替えたり、数曲入れ替えたりされるだけで対象外にります。実際、AI系BGM投稿者が模倣されたチャンネルへの通報を却下されている事例があるそう。なので実際大手のAI生成BGMチャンネルは同業者や個人に模倣、コピーされている状況です。
そのうえ、前述の通りすべてのAIソフトはcontentsIDの登録を禁止しています。なので仮に転載されていてもID検知できません。しかも転載を発見したとしても、「たまたま偶然、同じものがAIで生成されたので転載ではない。」という暴論もまかり通ります。実際、AIソフトによっては規約上で「他のユーザーが同じものを生成する可能性がある」と記載されています。

Suno AIの場合
ではここでSuno AIの場合はどうなるか。私用の範囲であれば自由に使える無料プランと商用利用が可能なプロ、プレミアムプランがあります。
Suno AIの利用規約上では、生成した音楽に対する権利は基本的にはユーザーに帰属すると記載されています。ここでいう権利とは利用権です。いわゆるロイヤリティ。著作権が付与されるわけでは無いということ(そもそも著作権は存在しない)。Suno側は「各国の法や制度に順守する」とありますので、少なくとも日本では著作権が発生しません。ただし利用権利をユーザーが課金という形で購入(契約)しているので、利用権利に対する侵害は起こりうるので何をしてもOKではない。
類似する作曲AIだとMubertがありますが、こちらは規約の段階で権利は同社が所持すると記載されています。商用利用できるプランでは、権利を貸し出しているという感覚。また、規約上ではアップロードしたAI楽曲のトラブルには一切関与しないので自己責任とあります。例えば有料プランで作った曲が他人に使われようが二次配布されようが他人の曲に類似しようが我々は関与しないよ。て事。
つまり言ってしまえば、現在投稿されているAI音楽はコピーしてもOK。ただしそのまま転載するのはYouTubeの規約でNGだが、改変すれば問題ない。概要欄に「コピー模倣禁止」と書いていようが著作権侵害には当たりません。
「AI音楽を本当にDAWに落とし込み、アレンジを行い、メロディラインを足したり伴奏を追加したり、「独自のオリジナル要素」を加えた場合は編集作業に権利が付与される可能性は有ります。」なおループ素材や簡易すぎる追加は対象外の可能性が高いので注意。
また、「動画制作に何時間、何十時間も費やしている」と主張する人がいますが、前述の通り時間かければ権利が付与されるわけでもないのでご注意下さい。ただ作業が遅いだけです。

加工すれば著作権が付与されるのか
これに関してはぶっちゃけどれほど原型をとどめているかによる可能性が高い。
イラストの場合、生成されたイラストの構図を参考にオリジナルの絵を描いたり、生成物からインスピレーションを得てオリジナルで描いた場合はセーフです。彩度や明度、色相を変えた程度の加工では付与されません。
楽曲の場合は判断が難しいですが、イコライザーの調節やテンポ、キーを変えた程度では付与されません。生成された楽曲を元に自分で演奏した場合やオリジナルの歌詞を付けて完成させた場合は演奏権や作詞に対して権利が発生しますが、楽曲そのものには権利が発生しません。
なので2次創作(替え歌や歌ってみた等)がある程度自由になります。また、SunoやMubertは規約違反に厳しく、出力したデータの履歴からその曲がAI出力曲なのか判断できるそう(無料プランにも関わらず商用利用されるのを防ぐため)なので自作発言はやめましょう。
このあたりは権利侵害の判例や、良し悪しの線引きがされていないため判断が難しいですが、AI生成ユーザー側が有利に事が動くことは少ないと思っておきましょう。
どちらにせよ音楽生成AIの場合は現状「曲の雰囲気、ジャンル」「使う楽器」「テンポやリズム」のみなので該当しません。「思想や感情を創作的に表現するためにプロンプトを入力しました☺」みたいなボケは通じないので注意しましょう。
著作権が付与されるケース
ではここでAIによる生成物で著作権が付与される場合とは、、、ですが、簡潔に言うとAIによる生成物を道具として使って別のメインコンテンツを制作した場合です。例えば
上記のようにAI生成物を道具として、別の創作物を作成させた場合です。
文化庁公開の資料にも
人が思想感情を創作的に表現するための「道具」 としてAIを使用したものと認められれば、著作物に該当し、 AI利用者が著作者となると考えられます。
著作権審議会 第9小委員会(コンピュータ創作物関係)報告書
と記載されています。コンテンツの主体がAI生成物(BGMがメイン、絵がメイン)ではNGということ。
⚠️自作発言、オリジナル主張は法的リスク有り
当然といえば当然ですが、AIで生成した作品をAIではなくオリジナル(自作)と主張するのは”規約違反”としているAIサービスが多いです。
そもそもAIが提供するコンテンツやAIモデルは、同社の知的財産にあたります。AIソフトは、開発の過程で”モデル”という機械学習元のオリジナルデータやサンプルが存在します。それらはAIメーカーがお金と年月を費やして完成させたもの(いうて学習用のデータは無断学習)です。オリジナル発言が詐欺的行為に当たる可能性がある例としては
・背景画をAIが生成し、その中にオリジナルのキャラクターを描いた場合
これに対し「私のオリジナル作品です。」と主張すると、見た人には「背景も自作したんだな。」と誤解が生じます。
・曲をAIが生成し、オリジナルの詩を自ら書いた場合
も同様で、これをオリジナルと主張すると「作詞作曲をしたんだな。」と誤解します。作曲がAIである旨を伝えましょう。
AIで生成した作品を公開して絵師や作曲家を自称するのは自由ですが、我々本業界隈からすれば「何言ってんやこいつ^^;せや!SNSで晒してインプ稼いだろ!」ってダシに使われる可能性もあるので注意。
ぶっちゃけ専門家にはAIかどうかわかる
わかります。イラストに関してはド素人なので人体の欠損程度しかわかりませんが、楽曲に関しては余裕でわかる。まぁ一応音楽の仕事してるんで。。。
まず一番の判断は楽器の音質。作曲AIのクオリティはビビるくらい高いですが、ひと昔前のゲーム機の音質です。また音楽自体楽器から生成されているわけでは無く、AIメーカーが所持しているサンプリングデータを元に生成されているため、音の余韻に独特のノイズが入っていたり、不自然にビブラートがかかったりしています。今の時代、素人が作った曲でももうちょい音質良い。
あと「そこからそうはならんやろ・・・」っていう曲のセオリーというか、理論的なアレでわかる。それをプロの作曲家がクセとして利用しているならまだしも、突然湧いて来た新参が使ってると「ああ、AIね。」って一瞬でわかる。
ノイズを入れたり歪ませたりするEDMやLo-Fiはぶっちゃけわかりにくいですが、まだ現状AIが完ぺきではないのでわかる。てかそもそもLoFi系はジャンル的に作るのムズイんですわ。
クリエイターがAIを疑われないためには自己防衛おじさんになろう。
今後、AIが発達するにつれ音楽家やイラストレーターがAI生成なのでは?と疑われる機会が増えていきます。というか増えてます。既にイラストレーターの方は疑われた方も多いのでは。
疑われた際、本来ならば無視したいところですがめんどくさい人達に「無視=黒」みたいな太鼓判を押されかねません。
なので必ず各制作ソフトの作業データは厳重に保管しておきましょう。
音楽ならば各DAWのソングファイルやMIDI、パラアウトなどです。最近ではMIDIで書きだせるAIサービスもありますが、必ず音源が必要なのでAIかどうかは100%バレます。ピアノがどのメーカーの音源なのか、ヴァイオリンがどのメーカーなのか、DTMで作曲している人にはわかります。
自己防衛おじさんになりましょう。逆に言えば作業ファイルが存在しないとかなり黒っぽいのでご注意を。
【追記】余談:ゴキブリくらい爆増したAI生成BGMチャンネルの正体
インスト曲大好きの友人が「なんか最近似たようなBGMチャンネル爆増した」と言うので調べてみました。確かに2024年2月あたりからケルト調、和風調、EDM、Lofi、R&B、レトロ邦楽を中心としたチャンネルや動画が大量生成されていました。ざっと数千チャンネル以上はあり、日々増えています。どうやら正体は情報商材の中身らしく「AIで月〇〇万稼ぐ!」という教材に釣られて爆増しています。(ググったらすぐ出てきた)。またそれらを模倣した個人業者が収益目的で大量配信しています。実際、AIチャンネルで稼げるのはごく1部の運よく伸びたチャンネルのみで上位数%ほど。(実際伸びてるAI生成BGMチャンネルは極まれ。大半は同時運営業者)
最近ではnoteの有料記事でも多くの情報商材が売られ、収益額に目が眩んだ購読者が多く参入している。

よくある典型的な詐欺系(実際コミュニティノートで叩かれてる)ちなみにこのポスト自体は存在せず、「万バズ風のフェイク画像」が利用されている。
各AI楽曲BGMチャンネルの構図がほぼ同じ(生成曲や背景絵、概要欄等)なので業者もしくは個人の運営で、運よく伸びたチャンネルを成長、収益化させる見込み。ほぼ全ての動画が30分以上の長尺で、背景に使われている絵もAIなのが特徴(99%くらいmidjourneyかniji journey)です。長尺なのはチャンネルを収益化する条件に累計再生時間がある程度必要で、かつ作業用BGMにすると繰り返し再生され、収益を稼ぎやすいから。
特に胸熱なのは、今までゲーム動画や自作のBGMを投稿していたのに突如AI生成BGMチャンネル化した、いわゆる”闇落ち”チャンネルです。増えすぎるあまりお互いに再生数を食い合っている状態なのもウシジマくんのフリーエジェントくん編っぽくて個人的には好きです。
ただし始めに書いてますがAI楽曲そのものに著作権は存在しないので、「この楽曲の著作権は当チャンネルに帰属します。」と書いていても、勝手に使われたり二次配布されても著作権侵害にはならない。特に厄介なのが上述にもある通り、「たまたま同じ曲が生成されました!」という暴論が通ってしまいやすい。
AI生成BGMチャンネルの見分け方
なぜ2024年2月を境に増えてるかというと、SunoAIをはじめとする各種音楽生成AIが大型アップデートで2分~の長さの出力に対応し、クオリティも大幅に上がったり、商用利用の有料プランがリリースされたためです。またその時期に副業収入での紹介が始まり、爆発的に増えて行ってます。
さらに細かくAIチャンネルの見分け方を教えてくれてる記事


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